全国でもトップクラスの「長寿県」である滋賀。
2017年、厚生労働省が発表した「都道府県別平均寿命」によると、滋賀県の男性は全国1位、そして女性は全国4位の長寿であることがわかりました。
滋賀県民が長寿になった理由はたくさんありそうですが、そのひとつに挙げられるのが「醗酵食品が身近にあること」かもしれません。
滋賀県ならではの醗酵食品といえば、ずばり「鮒ずし」! とはいえ、毎日のように鮒ずしを食べている人は少ないかも。醗酵食品の種類は多く、県内で購入できるものもたくさんあるんです。
今回は、京阪電鉄が提供している「醗酵めぐりガイドブック」のなかから、ライターおすすめの3店舗をご紹介します。
京阪電鉄は、2019年4月22日に期間限定の企画きっぷ「長寿滋賀 醗酵めぐりチケット」を販売開始。同年8月31日までの期間で利用できる一日乗り放題きっぷと、醗酵食にまつわる名店を紹介するガイドブック付きとなっています。
乗り放題となるのは、坂本比叡山口から石山寺までの「石山坂本線」と、びわ湖浜大津駅から御陵までの「京津線」の区間。ただし、ガイドブックで紹介されている名店は、石山坂本線沿線のみとなっています。
ガイドブック内では、石山坂本線を7つに分け、それぞれの駅周辺ごとに醗酵食にまつわる13店舗を紹介。たとえば、坂本比叡山口駅ちかくにある鶴キ(喜の旧漢字)そばでは、自然醗酵にこだわった滋賀しょうゆを使った特別メニューがあり、瓦ヶ浜駅近くにある中山製茶店では、滋賀県産の茶葉を醗酵させた紅茶を紹介するなど、お店のこだわりを知ることができます。
さらにうれしいのが、ガイドブックを持って実際に店舗へ行き、飲食や購入をすれば、特典が受けられるというサービス(店舗によって、条件が異なります)。その店でしか味わえない特典が多く、魅力的な醗酵ツアーが楽しめそうです。
エリアごとに紹介される全13店舗のうち、特に集中しているのが、「びわ湖浜大津・島ノ関駅」周辺。今回は京津線との乗り換え駅となるびわ湖浜大津駅を中心に、醗酵食をチェックしてみました。
びわ湖浜大津駅から徒歩約2分。「みそ」と書かれた大きなしゃもじが出迎えてくれるのが「九重味噌(ここのえみそ)」です。明治元年に創業した老舗の味噌屋さんで、古くから伝わる麹蓋(こうじぶた)を使った米麹を使用しているのが人気の秘密。
味噌本来の風味をしっかり味わえる手作りの良さが感じられ、ラインナップも多め。一番人気の天然麹味噌をはじめ、お正月には欠かせない白味噌や、名古屋名物ともいわれる八丁味噌など、バラエティ豊かな味噌が購入できます。
味噌だけでなく、米麹や甘酒の種も購入できますよ。500円以上の購入なら、「長寿滋賀 醗酵めぐり」ガイドブック、もしくはチケットの提示で、甘酒(2倍濃縮)か、もろ味噌(いずれも150g)がもらえます。
今回は、生の夏野菜に合わせて使うため、八丁味噌を購入。特典としてもらえるおまけは、もろ味噌を選びました。大きめに切ったキュウリに八丁味噌をつけて食べると、その濃厚さに驚き! キュウリともろ味噌との相性も抜群で、ビールのお供にぴったりです。
<店舗情報>
店舗名 : 九重味噌
住 所 : 滋賀県大津市中央1-7-18
営業時間: 10:00~17:00
定休日 : 日曜祝日、第2・第4土曜日
チケット特典: 500円以上の購入で、甘酒かもろ味噌のプレゼント
びわ湖浜大津駅から徒歩5分、菱屋街商店街のなかに、漬物専門店の「八百与(やおよ)」があります。
何とこのお店、江戸年間の嘉永3年(1850年)創業という老舗中の老舗。当初は、精進料理店として店を構えていた八百与。日本美術の保護と復興に尽力したフェノロサや、その通訳であった岡倉天心らも飲食し、八百与の料理をほめたたえたという古い資料が残っています。その後、三代目が作り上げた粕漬けが人気を集め、現在のような漬物専門店となったとのこと。
地元の野菜を使った粕漬「ながら漬け」は、大正3年には宮内庁御用達に。また、大正6年には、千枚漬けも御用達となっています。店内には、当時の宮内庁膳部から届いた注文の手紙や、天皇家やゆかり公家から下賜された人形などが展示され、ちょっとした博物館のよう。そのほか、江戸時代の大福帳や数珠球のそろばんなどもあり、歴史を感じられる空間となっています。一枚板で作られた看板も必見です。
もちろん、店頭に並ぶ漬物の数々にも目を引きます。天皇家も舌鼓を打った「ながら漬け」はもちろん、浅漬けから古漬けまで、さまざまな野菜で作られた漬物を購入できますよ。
「長寿滋賀 醗酵めぐり」チケットの特典は、1000円以上の買い物でもらえるのりの佃煮。さらに、お土産として受け取ってほしいのが、店頭に立つご主人や女将さんの「歴史談」です。八百与の歴史とともに、展示物に関する詳しい説明が聞けるのは、老舗ならではの醍醐味と言えるかもしれません。
<店舗情報>
店舗名 : 八百与(やおよ)
住 所 : 滋賀県大津市長等2-9-4
営業時間 : 10:00~19:00
定休日 : 日曜
チケット特典: 1000円以上の購入で、のりの佃煮プレゼント
錦駅から、徒歩15分。びわ湖方面に向かって歩くと「びわ湖大津プリンスホテル」が見えてきます。ホテル内1階にある「ポートニオ」は、ホテルのプールに面した開放的な空間で、ゆったりとした時間を感じられるラウンジです。
ロビーに入ってすぐのラウンジは気軽に利用できるだけでなく、なんと、フォトジェニックな鮒ずしスイーツが食べられるという、隠れた醗酵食スポットでもあるんです!
せっかくのチャンスを逃すなかれ……というわけで、「長寿滋賀 醗酵めぐり」ガイドブックで紹介されていた「ふなずしロール(税サ込550円)」を注文してみました。
やや固めのスポンジ生地のなかには、鮒ずしペーストを混ぜ込んだクリームが。
一口食べてみると、醗酵の風味は感じるものの、ふなずし独特の香りも少なく、知らなければ気付かないかもしれません。トップデコレーションのホワイトチョコと相まって、濃厚な味わいのロールケーキとなっています。
もっと鮒ずしの風味を感じたい!という方は、クリームの追加が可能です。ケーキのデコレーションにもなっているクリーム入りのスポイトをプッシュすると、より濃厚な鮒ずしの味わいが楽しめます。
一緒に注文したドリンクは、びわ湖大津プリンスホテルオリジナルの「びわ湖色のレモン&ミントティー(税サ込 1,001円)。ポットにお湯が注がれると、びわ湖の湖面を思わせる美しいブルーに。徐々に黄金色へと移りゆく変化をまずは目で楽しんでみて。レモン風味のさっぱりとしたハーブティーは、甘めのロールケーキと相性抜群。ちょっと贅沢なカフェタイムに、おすすめです。
もっと手軽に醗酵スイーツを食べるなら、ふなずしクリームを使った「ロシアンルーレットパン(税込550円)」をテイクアウトしてみて。
ふなずしロール、または、ロシアンルーレットパンの注文、購入後、「長寿滋賀 醗酵めぐり」チケットの提示で、上述のオリジナルハーブティー(2包入り)が特典としてもらえます。
<店舗情報>
店舗名 : びわ湖大津プリンスホテル内 ロビーラウンジ「ポートニオ」
住 所 : 滋賀県大津市におの浜4-7-7
営業時間 : 9:30~18:00
定休日 : なし
チケット特典 : ふなずしロール、またはロシアンルーレットパンの注文購入で、オリジナルハーブティー(2包入り)をプレゼント
京阪電鉄の企画きっぷ、ガイドブック付き「長寿滋賀 醗酵めぐりチケット」は、大津市内にある隠れた醗酵食スポットを知ることができるという貴重なもの。開催期間は、8月31日までと短いものの、夏休みの利用が可能なため、家族で京阪電車ツアーを楽しむのもいいですね。
長寿県滋賀に貢献している「醗酵食」の魅力を体感できる機会として活用してみてはいかがでしょうか?
発売期間 : 2019年4月22日(月)~8月31日(土)
価格 : 700円(一日乗り放題きっぷ、醗酵食にかかわる店舗のガイドブック付き)
有効区間 : 石山坂本線(石山駅~坂本比叡山口駅)、京津線(びわ湖浜大津駅~御陵駅)
発売場所 : 京阪石山駅、膳所駅、山科駅、四宮駅、石山寺駅、びわ湖浜大津駅、大津京駅、近江神宮前駅、坂本比叡山口の各駅(駅係員がいる窓口にて販売)
※この情報は2019年7月1日現在のものです。
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