少女の大きな挑戦!工房を構え、2020年1月26日、近江八幡市に「みぃちゃんのお菓子工房」さんがオープンしました。新聞やテレビなどでも取り上げられる注目のお菓子屋さんをレポートします。
(現在、新型コロナウイルス感染症対策をしているお店です)
「みぃちゃんのお菓子工房」さんは、ジョーシン近江八幡店さんなどが入っている近江八幡サウスモールからすぐ近く。
Google Mapではこちら。住所は、滋賀県近江八幡市上田町1257-18です。
近江八幡サウスモールから、こちらの道を入り、一本目を右折すると、すぐ工房が見えます。住宅街の中にあるため、マナーに気をつけてください。
営業日は現在、不定期です。平日は、基本お休み。日曜のみの予約制で、14時から開店です。
3月からはコロナ対策のため、事前予約制に。数日前から予約を開始。開店日は時間を区切り人数を制限するなど、なるべく密を作らない工夫をされています。
開店日は、HPのカレンダーで確認することができます。予約開始日時もHPに掲載されているため、事前にご確認ください。
予約完了後は、予約番号が表示されます。当日には予約番号と予約時間の確認があります。
先日は初の試みで、公式LINEにて来店の予約を受付!配信日は内緒。運とタイミングの良かった方ですぐに、予約でいっぱいになりました。
多くの方にみいちゃんのスイーツを食べてもらいたいとの思いで、これからもいろいろな方法と時間で予約開始を案内していくそうです。
最新の情報は、ホームページやFacebook、Instagramなどでご確認ください。
こちらの工房の他、マルシェ や「みぃちゃんの1日スイーツカフェ」で出店(現在、次回の予定は未定)。大人気で満席、行列も。
こちらはスイーツカフェでのプレート。
みぃちゃんのペースで作業が進むため、ゆっくりとしたペースの場合もあります。温かくゆとりの心でみなさん、みぃちゃんのスィーツを楽しまれていました。
「みぃちゃんのお菓子工房」の12歳のパティシエ・みぃちゃんこと、杉之原 みずきさんは、2020年の3月に小学校を卒業。現在は、中学一年生です。
場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)という精神障害があるみずきさん。
個人差もあるようですが、みずきさんの場合は、工房・家から外に出ると、強い緊張や不安で筋肉がカチカチになり、会話や靴を履き替えたり、みんなと給食を食べたり、勉強で鉛筆を持ったりといったことができなくなるそうです。
しかし、みずきさんが心を許せる場所では笑い声も。
小学4年生の時に学校へ行けなくなったみずきさんに対し、お母さんが社会とのつながりを持つきっかけとして、スマートフォンを託しました。
小さな頃からお母さんとお菓子作りをしていたこともあり、お菓子作りにのめり込むように。その腕前は、独学でどんどん上達。
「パティシエになりたい」「いつか自分のお店を持ちたい」という将来の夢を持つようになりました。
現在はプレオープン!グランドオープンは3年後を目指しています。福祉作業所などでみんなと一緒に作業をすることもみずきさんには難しいのです。
そこで、「中学校卒業後は自立しよう!」という大きな決断をしました。
お母様の杉之原千里さん。お忙しい中、お話しを伺う機会をいただきました。杉之原さんは3人のお子さんを育てながら、フルタイムのお仕事、製菓学校に通い課題をこなし、お店のオープン準備をされたとのこと。
いろいろな立場での経験を日々積み重ねている杉之原さんと話がしたいお客さまも多いそうです。私自身も、今回とても親身に話を聞いてもらい、思いやりのある受け答えに元気をもらえました!
お店を始めるにあたり「場面緘黙症について知ってほしい」「お店をきっかけに障害のある方の道標になりたい」「明るい気持ちになってもらいたい」という思いがあったとのこと。
オープン後は、子育て世代、お年寄り、若い方、そして、お子さんが行きたいと言って親を連れて来てくれることもあり、皆さんに愛されるお店になっています。
「子どものために親が情報を集め、どんな風にどれだけ動くか」「学校、成績、友だちなどの当たり前や常識を取り払い、子どもの目線に合わせたときに、笑って家にいてくれるだけでいいと思えた」「自立して楽しく生きる選択もある」と杉之原さん。
経験からたどり着いた一つ一つの言葉が心に響きました。
みずきさんは、お菓子作りをするようになり、自分を認めてもらうこと、評価してもらう喜びを知りました。
双子のお兄さん、一樹さんは小学校でみずきさんを見守ってきました。そして、小学校ではみずきさんのサポートをし、一緒に卒業式を迎えたそう。みぃちゃんのお菓子工房さんのYouTubeチャンネルには一樹さんの助言も。
こちらはお父様。
杉之原さんご家族の協力、そして信頼関係を築いているスタッフさんや周りの方々に支えられている、温かいお店です。
みぃちゃんのお菓子工房さんに並んでいる商品は、すべてみずきさんが作っています。
オープン当日、14時〜17時までの営業ということで、14時に行ってみると…!!もうすでに、この行列でした。
待っている時間、聞こえてきた会話は…ファミリーで待っていたお父さんの「うちの○○と同じ歳だしなぁ。応援したいなぁと思ってなぁ…」という声。
そして、みぃちゃんやご家族と日頃から交流のある方たちの、みぃちゃんやご家族を思う会話。温かい…外は寒くても、気持ちは温かくなりました。
この日は、1時間以上前から待っていた方がいらっしゃったと聞きました。この日は完売!店頭に並ぶ商品はみずきさんの手作りため、数に限りがあります。
お店の中へ入ると、すりガラス越しで働くみぃちゃんが見えます。みずきさんも本当はお友だちや社会とつながりたいと感じるため、直接顔を合わせることなく、お客さまの気配を感じてほしいという思いが込められているガラスです。
お祝いのお花やバルーンもたくさん。愛されているお店です。
私が初めて購入したのは一年半くらい前。みずきさんは5年生でした。シュークリームのかわいさだけでなく、おいしさにも驚きました。
買ってケーキの箱を持って、お店を出るお客さまの顔は、みなさんニコニコ。ショーケースを見て、気持ちが分かります。
大人気のバスク風チーズケーキ、口溶けと後味が良いコーヒー生チョコ、そしてスポンジラスクを購入。
本来なら捨てられるスポンジをラスクに!
フードロスの取り組みにもなっているスポンジラスクは、サクサクとした食感なのに溶けていくよう。初めての食感です。女子会の手土産に持って行ったところ、大好評でした!
3月からはコロナ対策のため、事前予約制に。
この日は、和三盆のロールケーキ、カシスと生チョコのムース、いちごタルト、みぃちゃんのガトーショコラを購入しました。
和三盆のロールケーキは、生地も口の中で溶け出すような滑らかさとクリームがおいしく、アクセントとしてナッツが入っており、食感も楽しめます。
みぃちゃんのガトーショコラはビターで、コーヒーにもよく合います。
いちごの良い香りが広がる、いちごタルトは、大谷農園さんのいちごを使用。
カシスと生チョコのムースは甘さ控えめで、おしゃれ!ブランデーに合いそう。大人の男性にも受ける味。
このムースは、層を作る工程に、かなり手間がかかっています。
大谷農園さんのいちごをたっぷり使用した「いちごのフレッシュジュース」は、本当にフレッシュでおいしいです!
どんどん新作も出ています。見た目も楽しく、一度食べるとファンになる、魅力的なお菓子の数々!
みずきさんの個性が出る、おまかせケーキ!
苦手なものを聞いて、あとはみずきさんにおまかせのホールケーキです。
デザインの絵を書いているそう。バリエーションが豊富なので、どんなケーキになるのか、とても楽しみですね!
みいちゃんのお菓子工房
滋賀県近江八幡市上田町1257-18
営業時間 営業カレンダーにて
定休日 現在、不定期開店
平日は基本お休み
日曜のみの完全予約制。14時から開店。
開店日・予約可能日時は、公式HPにて公開中
予約完了後は、予約番号が表示されます。当日には、予約番号と予約時間の確認が行われます。
参考リンク:みいちゃんのお菓子工房HP
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